もう4度目かの神々のたそがれを、新文芸坐の大きなスクリーンで浴びた貴重な夜。希望がないことが希望である、という坂口安吾の言葉を思い出したりした。汚物塗れの絶望の3時間、なのにこの清々しさはなんだろう?これこそ絶望の果ての、信じるに足る唯一の希望ではないか。それにしてもまあ、よくこんなに魅力的人物を集めたもんだと感心。(今回は特に、空を飛ぼうと翼を背負ったふとっちょに魅せられた)。なにもかも汚いが途方もなく美しい。帰りの電車の中には魅力のかけらもない、小奇麗だが醜い顔が並んでいたのと対照的。

まったく絶望的な日々を、生ける屍としてやり過ごす。こんなことにいつまで耐えられるか分からないが、とにもかくにも、俺には映画館という逃亡先があるのだから、まだなんとかなるだろう。いや、映画だけじゃなくて、最近手に入れた古賀廃品回収所という詩集のとんでもない素晴らしさ!まだまだ死ねない。