早稲田松竹岩井俊二三本立て。やっぱりこの監督素晴らしいわー。あくせく働いているうちに忘れていたあの恋の感情がよみがえり、懐かしさで胸が締め付けられた。恋、恋、恋、それが大事。セックスなんてどうでもいいのだ。それにしても岩井監督の女優の撮り方は神がかりだ。松たか子中山美穂ってこんなに素敵な女優だったのか、と賛嘆。

最近いまいちな映画ばかりでイライラが続いていたが、久々に目が覚めるほど衝撃的な傑作を見ることができた。岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」だ。この狂気、この魔力、これぞ映画の力!泣きじゃくって映画を見終え、自己の感性が変容したことを快く思い、ひとり酒を飲んでいる。それにしてもなんで俺は今までこの監督を無視していたのだろう。この監督を軽視してきたシネフィル界隈の空気に流されていただけじゃないか。今こそその界隈を呪い、岩井映画へ向けて自己を開いていくべきだ。

ユーロスペースでフラー特集。チャイナゲイト、傑作。問答無用のアクションに打たれる、これぞ映画。べートーヴェン通りの死んだ鳩、ぶっ飛んだ面白さ随所にあり、クリスタラングの存在感素晴らしいが、ちと長すぎ。90分に圧縮してれば傑作だったものを。

ブラックスキャンダル、地味だがしっかりした演出で飽きなかった。スコット・クーパ―という新人監督、今後楽しみだ。禿げ頭で革ジャンのジョニデの迫力もなかなかだったが、久々にケビン・べーコンが見れてよかった。

一年で一番やさぐれるバレンタインという日にキャロルというレズ映画を見て少し救われた。表情ひとつでラストをキメるケイトが見事!相手役のルー二ーの美しさにも打たれた。とくにセックスシーンは胸締め付けられる美しさだった。

オデッセイという映画をIMAX3Dで見たんだが、前評判から期待していた変なディスコミュージックでノリノリのシーンは少なめでほとんど笑えず、といって手に汗握る展開にもとぼしく、3Dの迫力もお約束程度で、途中から退屈で仕方なかった。米中協力でめでたしめでたしというのも、今の世界資本主義の反映を見ているようで(一昔前なら中国ではなく日本だったんだろうが、今やすっかり没落した日本は完全無視)、いやーな気分になるだけだった。