昨年同様、今年の正月休みも恐ろしい鬱に取り憑かれた。天皇制の重苦しさが一年でもっとも濃密になる年末年始、窒息寸前だ。引きこもって読書に飽きたら逃げ場は映画館しかない。
元旦はイメージフォーラム(そういえば昨年も元旦はイメージフォーラムだったような気が。たしかジョナス・メカスの作品だった)でハッピーアワーを見た。恐ろしく長ったらしく退屈でイライラさせられたが、途中からだんだん良くなってきて、傑作だと思った。自己中の男どもが女たちからひどい目に合わされる痛快さは、まるでタランティーノのデスプルーフじゃないか!しかし3部に分けた興行形態が意味不明だ。3部に切れ目はなく、完全に一本の作品だ。なんでわざわざ退出して再入場せねばならんのだ?最初から一本の料金にして、トイレ休憩を2回挟めばいいだけじゃん。
昨日はジャック&べティでマイファニーレディ。これ全然行く気なかったんだが、ふと思い立って行ったら大当たり!もう楽しくてたまらんかった。このボクダノビッチという監督、今まで完全にノーマークだったことを後悔。もうお爺さんなのに、こんな若々しい映画を撮るなんてびっくり。最後は僕が大好きなあの監督まで出てきて驚かされ、すっかり上機嫌になってしまった。
今年も酷い一年になるだろうが、映画を支えに、なんとか生き抜けるような気がする。